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犬の水分補給に役立つ食べ物とは?腸が弱い犬やシニア期のためのスープ活用術

「水分」は体温調節や血液・細胞の維持、腸内環境の安定など、愛犬の生命活動に関わる重要な要素です。ところが、犬は人間と比べ、遊びや環境変化によって飲水が後回しになったり、加齢により喉の渇きを感じる機能が鈍化したりすることがあり、知らず知らずのうちに水分不足に陥りやすい特徴があります。

特に胃腸が弱い犬やシニア犬は、脱水や体調悪化のリスクが高く、日常的な水分補給が欠かせません。

この記事では、水分補給が大切な理由から、犬に適した水分の多い食べ物、スープの活用方法まで詳しく解説します。

愛犬の「水分の摂取量が少ないかも?」という不安を解消し、健康的に水分をとるための実践的な知識をまとめています。愛犬の健康を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

著者

宮前 真樹(みやまえ まき)

onesブランドアンバサダー / 料理研究家

日本橋三越カルチャーセミナー講師・犬ごはんとおやつ開催
各種出版・WEB媒体にレシピ・コラム掲載
美養サラダ/ビューティーレシピの提案・セミナーを開催
・国際食学協会・美養と季節のレシピワークショップ
・三越カルチャーサロン・美養とオイル
レシピ連載
「犬ごはんCookBook」enkara “犬を知るをアップデート”
「身体とお肌に優しい美養レシピ」コンシダーマル

著者

藤井 麻乃子(ふじい そのこ)

愛犬のための水分補給トッピングスープ 「ones」 スタッフ

ミックス犬2頭と暮らす愛犬家。シュナウザー×マルチーズのパピーと、プードル×イングリッシュスプリンガーの3歳の成犬と日々の暮らしを楽しみながら、実際に試した安心・安全なドッグフードレビューを中心に情報を発信しています。

著者

飛田 邑貴(とびた ゆうき)

愛犬のための水分補給トッピングスープ 「ones」 代表

【経歴】2018年、株式会社gojuonを創業。愛犬のゴールデンレトリバーとの別れをきっかけ
に、愛犬たちの食事と向き合い、2020年に完全オーガニックフレッシュフード「BIO POUR CHIEN」の代表取締役に就任。2022年、愛犬のための水分補給トッピングスープ「ones」をリリース。現在は、オーストラリアンラブラドゥードルと暮らしながら、手作り食とドライフードと併用。

犬の水分補給が重要な理由

犬は体内に占める水分量が60〜70%ほどといわれ、わずかに減るだけでも体に大きな負担がかかります。水分は血液やリンパ液の循環を助け、老廃物の排出や栄養素の運搬、消化活動にも深く関わっているため、身体が正常に機能するうえでとても重要な役割を担っています。

特に犬は汗腺が少ないため、人間以上に「体温調節が水分に依存」している動物です。水分が不足すると体温が上昇しやすく、熱中症のリスクも高まります。

だからこそ、毎日必要な水分量をしっかり摂取することがとても大切です。特に、もともと腸が弱い子やシニア犬は水分不足に陥りやすいため、意識的に水分をとらせてあげることが、健康を守るうえで非常に重要な習慣になります。

犬に必要な1日の水分量目安

犬の1日に必要な水分量は、体重をもとに以下の計算式で算出できます。

  • 1日に必要な水分量(ml)=体重(kg)の0.75乗×132

※健康な成犬(避妊去勢済み)の場合の計算式です。避妊去勢してない場合は計算結果を1.1倍にしてください。

推奨水分量チェッカーでは、あなたの愛犬の体重を入力するだけで、愛犬に必要な1日の水分量を簡単に知ることができます。大切な愛犬の健康を守るために、ぜひご活用ください。

水分の摂り過ぎにも注意

愛犬の健康維持のために、毎日意識的に水分を補給する必要がありますが、かといって「摂りすぎ」にも注意が必要です。

もし愛犬が短時間に異常にたくさん水を飲む場合は、次の可能性があります。

・腎臓病
・糖尿病
・ホルモン異常(クッシング症候群など)
・発熱や嘔吐後の体調不良

過度に水を飲む多飲(たいん)の状態が続く場合は、ただの喉の渇きではなく、病気のサインとなるケースもあるため、早めに獣医師の診察を受けましょう。

水分不足が引き起こす症状

水分不足は体にさまざまな不調をもたらします。特にシニア犬は腎臓機能の低下や筋力の衰えが進みやすいため、水分不足による以下の症状が深刻な症状につながることもあります。

脱水症状

皮膚のつまみ戻りテスト(ツルゴールチェック)や口の乾き、目が落ちくぼむなどの症状が特徴です。重度の場合、ぐったりして動けなくなる危険も。

体温調節の乱れ

犬は汗で体温調節ができないため、水分不足は深刻です。体温調節が乱れると、熱中症のリスクが急上昇します。

腸内環境の悪化

水分が足りないと、腸は便から水分を奪うため、便秘・硬い便・腸の停滞が起きやすくなります。腸が弱い犬はとくに影響が出やすい部分です。

食欲低下

脱水が進むと消化機能が低下し、食欲が落ちてしまう場合があります。特にシニア犬は体の回復力が低い傾向があるため、水分不足が長引くと大きな衰弱につながることも。

腎機能低下

腎臓は血液をろ過する臓器です。水分不足により濃い血液が流れると、腎臓への負担が増え、腎不全などのリスクにつながる恐れがあります。シニア犬は特に注意が必要です。

筋力低下

筋肉細胞の健康的な維持には水分が必要です。脱水は筋肉の働きを弱め、体全体の機能を低下させます。特にシニア犬の場合、転倒や歩行の衰えなどにつながる危険があります。

犬の水分補給におすすめの食べ物一覧

愛犬がなかなか水を飲んでくれない場合、水分の多い食べ物から摂る方法も効果的です。以下の食材から愛犬が好みそうなものを選んで試してみましょう。

水分が多い野菜

野菜は、お手頃価格で比較的どこでも入手しやすい利便性があります。

キュウリ

水分量が非常に多く、カロリーも低め。夏場の水分補給に最適です。

白菜

水分が豊富で、加熱して柔らかくすることで消化しやすくなります。スープにも入れやすい食材です。

レタス

軽くて水分量が非常に多いのが特徴です。細かくちぎったり刻んだりすれば食べやすい食材です。

ズッキーニ

低カロリーで水分量も高く、加熱すると柔らかくなるため老犬の食事にも活用できます。

アスパラ

体にこもった湿気を取り除き、乾燥しがちな体に潤いを与える食材です。利尿作用や疲労回復に関与するアスパラギン酸を含みます。
生のままでは消化に負担がかかるため、必ず加熱し、食べやすい大きさに刻んで与えましょう。

飲水量が安定しない犬には、水分を多く含む野菜を「食事の一部」として使うのが有効です。具体的には、キュウリ・白菜・レタス・ズッキーニ・アスパラなどが挙げられます。

ただし、これらは体を冷やしやすい性質もあるため、冷えやすい子や腸が弱い子には常温に戻す・軽く加熱してスープに混ぜるなどの工夫が必要です。水分補給目的でも、与えすぎは下痢の原因になるため、必ず少量から便の状態を確認してください。

おやつやトッピングになるフルーツ

好き嫌いの激しい犬には、フルーツでの水分補給を試してみましょう。

りんご

喉に詰まらせないよう小さく薄切りにするか、すりおろしましょう。種と芯は必ず取り除き、皮は消化が弱い犬には剥いてください。

スイカ

水分90%以上で熱中症対策にも向く優秀なフルーツです。夏場には大活躍します。種と硬い皮は必ず取り除き、果肉を一口大に切って適量を与えましょう。

水分たっぷりで消化を助ける酵素も含むため、食感を好む犬も多い人気のフルーツです。皮、芯、種は必ず取り除き、喉に詰まらせないよう細かくカットして与えましょう。

キウイ

体の熱を冷まし、喉の渇きを和らげながら潤いを与える果物です。水分量が多く、食物繊維やビタミンCも豊富で、消化不良のサポートにも役立ちます。皮を剥き、細かく刻むかすりおろして与えるのがおすすめです。

※加熱すると酵素の働きは失われるため、生のまま与えます。

その他の食べ物

野菜やフルーツのほかにも、犬の健康をサポートする食材をいくつか紹介します。

豆腐

水分量が多く、たんぱく質補給にも役立ちます。冷やして与えると喉越しが良いので、食が細い犬にも向いている食材です。

茹で卵

水分補給を主目的にする食材ではありませんが、タンパク質が豊富で栄養価が高い完全食です。スープなどに混ぜて使うことで栄養価を補うことができます。与えすぎるとカロリー過多のため注意が必要。

腸が弱い犬には避けたい食べ物

腸が弱い犬の場合、刺激のある食べ物や脂っこい食べ物は負担になるため、与えないようにしましょう。特に以下の食材は意識的に避ける必要があります。

刺激が強い食べ物

香辛料、ネギ類、にんにく、ショウガなどは、腸が弱い犬に限らず、すべての犬にとって避けるべき食材です。
特にネギやニラ、にんにくなどに含まれる「有機チオ硫酸化合物(アリルプロピルジスルファイド)」は、犬の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こす可能性がある有害成分として知られています。

少量であっても蓄積や個体差により中毒症状を起こすことがあり、下痢や嘔吐といった消化器症状だけでなく、重篤な貧血や命に関わるリスクもあります。そのため、体調や腸の強さに関係なく、犬には一切与えないことが原則です。

脂肪が多い食べ物

霜降り肉、揚げ物、皮つきの鶏肉など脂肪が多すぎる食べ物は、消化負担が大きいだけでなく、膵炎(すいえん)など深刻な病気のリスクを高めるため、犬には与えないようにしましょう。

消化しにくい食べ物

ごぼう、たけのこ、きのこ類、さつまいもなどの食物繊維が多すぎる野菜・きのこ類は、不溶性食物繊維が多く、犬は分解が苦手なため避けるのがおすすめです。

乳製品(特に牛乳)

乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少ない犬が多く下痢・軟便の原因になりやすため避けるのが賢明です。

大量の穀類(小麦・トウモロコシなど)

犬は炭水化物の消化が得意ではないため消化不良になりやすく、腸が弱い子は特に負担になりやすいです。

腸が弱い犬にとって負担になりやすいのは、刺激が強いもの・脂肪分が多いもの・消化に時間がかかる食材です。特にお腹の調子を崩している時や、シニア期で消化力が落ちている場合は、腸が処理しきれず下痢やガスにつながることがあります。
そうした時は、使う食材をできるだけ絞り、加熱してやわらかくし、体を冷やさない温度で与えることが回復を早めるポイントです。「体に良さそうか」よりも、その時の腸の状態で無理なく消化できるかを基準に選んであげてください。

腸が弱い犬・老犬のためのスープ活用術

水をあまり飲まない犬や、食が細いシニア犬には「スープ」がおすすめです。スープは、胃腸への負担を減らしながら、自然に水分を摂れる点が魅力です。

ここからは、犬に優しいスープの作り方と与え方について解説します。

犬のおなかに優しいスープの作り方

犬のおなかに優しいスープを作る場合は、以下のポイントを押さえましょう。

・鶏むね肉や白身魚など、低脂肪の素材を使う
・野菜はよく煮込み、柔らかくして消化しやすくする
・味付けは完全に無塩
・野菜の煮汁を中心に薄いスープに仕上げる

シンプルで素材の味を活かしたスープが理想です。

スープの正しい与え方

愛犬にスープを与える場合は、常温、または人肌程度まで冷ましましょう。熱いまま与えると、口腔内のヤケドの原因になります。また、与える量も大量に与えず、負担がないよう小分けで与えましょう。

手作りスープをドライフードにかけ、ふやかして与えるのも便利な方法です。

病中病後の場合は獣医師に確認しつつ与え、胃腸への配慮として、少量ずつ複数回に分けて与えるのがポイントです。

スープに入れて良い食材とNG食材

私たち人間が普通に食べている食材でも、中には犬の健康を損なう有害な食材もあります。

以下の一覧を確認し、愛犬のためのスープに入れて良い食材とNG食材をしっかり把握しておきましょう。

入れて良い食材例NG食材例
にんじん玉ねぎ
キャベツネギ
白菜ニラ
鶏むね肉にんにく
白身魚ぶどう
ズッキーニチョコレート
かぶ塩分のある食材
大根香辛料

犬の水分補給に役立つ食べ物に関するよくある質問

犬の水分補給に役立つ食べ物に関して、よくある質問をまとめました。ぜひチェックしてみてください。

Q1.犬に生野菜を与えても良い?

基本的に問題ありません。ただし、消化が苦手な犬もいるため、最初は少量から。細かく刻むか軽く蒸すと消化しやすくなります。

生野菜を問題なく食べられる犬もいますが、腸が弱い子やシニア犬には基本的におすすめしていません。生の状態は消化に負担がかかりやすく、腸内でガスが溜まったり、便が不安定になることがあります。

便が緩くなった・張りが出たといった変化が見られた時点で、生から加熱調理へ切り替える判断がとても重要です。無理に生にこだわらず、その子の腸の反応を見ながら調整してあげてください。

Q2.手作りスープは毎日与えても良い?

毎日少量なら問題ありません。ただし、カロリーや栄養バランスが偏らないよう注意が必要です。

Q3.水分補給はウェットフードだけで十分?

ウェットフードは水分が多いですが、それだけでは不足することも。常に新鮮な水を併用しましょう。

Q4.夏バテや熱中症の予防は水分補給だけで十分?

水分補給は重要ですが、それだけでは不十分です。暑さ対策、散歩の時間帯調整、涼しい環境づくりも必要です。

Q5.水分補給にスポーツドリンクやゼリーを与えても良い?

犬用なら問題ありませんが、人間用スポーツドリンクは糖分・塩分が高すぎるので基本的には与えてはいけません。ゼリーの場合も無添加・無糖を選ぶのが理想です。キシリトール入りは絶対に避けましょう。

まとめ

犬の水分補給に役立つ食材はたくさんありますが、正しい知識を持っていないと、愛犬の重大な病気やトラブルの原因となる場合があります。

特に腸が弱い犬やシニア犬は水分不足に陥りやすいため、日常的に工夫して自然に水分を摂取できるようにすることが大切です。

水分の多い野菜や果物、豆腐などの食材は手軽に取り入れられますし、スープは飲みにくい犬にも優しく、継続しやすい方法です。正しい与え方と食材選びを心掛ければ、愛犬の健康を優しくサポートできるでしょう。

愛犬が毎日元気に過ごせるよう、本記事を参考に水分補給の工夫をぜひ今日から取り入れてみてください。